NPOが助成金申請するときの5つのポイント
助成金申請は、NPOにとってなかなかハードルが高いもの。そこで、少しでも採択につながるように、助成金申請の重要ポイントを5つ紹介する。しっかり読んで、いい活動を提案していこう。
ポイント1.助成財団はパートナーを探している
一番大切なことは、助成財団は「あなたの良い活動を応援する存在」ではないことだ。助成財団にはそれぞれ「自分の財団はこのように社会を良くしたい」という希望を持っている。そして、その実現が自財団だけではできないから、パートナーとなるNPOを探し、そこに助成金を出すことで、その希望を達成しようとしている。したがって、NPOが申請書に書くべきは、助成財団の希望をどれだけ達成できるかが分る事業計画だ。もちろんNPOのしたいことも大事だ。そこで、両方の希望が同時に実現できる計画をどう作れるかが最大のポイントとなる。
ポイント2.助成金の応募要項に助成財団の期待が込められている
助成金申請においては、助成財団の希望をしっかり理解することが重要だ。助成財団の希望(何を期待しているか)が書かれているのが、応募要項だ。先駆的、波及効果がある、地域のネットワークができる、などの審査項目は、期待することに他ならない。その期待に応えられているか。申請書では、助成財団が期待することをリストアップし、それに応えられているかをチェックしよう。
ポイント3.解決策をしっかり書くことが重要である
助成財団が望んでいるのは、社会をより良くするための解決策だ。時々、こんな困った問題がある、と社会問題の切実さや取り組みの熱心さをアピールするだけの申請書があるが、それが求められているわけではない。助成金審査のポイントは、現状に対して、NPOが提案している解決策が、本当に効果があると思えるかどうかにある。申請書には、解決策がどれだけ問題状況を変えられるかについて、ビフォー・アフターが分るようにしっかり書こう。
ポイント4.自分の活動と助成財団の期待を掛け合わせてみる
自団体の活動にぴったりの助成金がないこともある。その時は、助成金の応募内容と自団体の活動を掛け合わせてみよう。たとえば、環境問題で海外との制度の比較をするイベントをしたいとき、環境の助成金だけでなく、国際交流や地域活性化などの助成金でもテーマ設定次第で申請できる。広く考えて探してみよう。
ポイント5.遠慮なく相談しよう
助成財団は、すべてではないが多くが申請前の相談も受け付けてくれる。課題・解決策・事業内容・成果の見込み・予算・スケジュール・体制などをドラフトして、それで相談してみよう。申請書がもっと良くなることは間違いない。
ぜひ、これらのアドバイスを踏まえて、より良い提案をしてほしい。
特別寄稿 松原 明 (Akira Matsubara)
・協力世界 代表
1960年 大阪府生まれ
神戸大学文学部哲学科社会学専攻卒業
1994年 シーズ・市民活動を支える制度つくる会を設立
• NPO法(特定非営利活動促進法)
• 認定NPO法人制度
• NPO法人会計基準
• 新寄付税制 などの制度づくりを主導
2015年 代表を退き、フリーランスに
❉NPO支援財団研究会の設立メンバー
❉NPOとして申請する側、審査員として審査する側
を多数経験
ネコが好き!