応募の手引き
※ 本手引きは、事業活動助成の応募について記載していますが、他の事業形態についての助成の場合も、是非ご参考ください。
応募する助成プログラムが決まりましたら、応募手続きが必要です。
まずは、募集の期間をもう一度確認し、応募のスケジュールを立てた上、手続きを進めることをお勧めします。
書類の入手方法
応募書類一式を入手する方法として一般的なのは、ホームページからダウンロードする方法です。
最近はWEBシステムからの申請を採用している助成団体も増加していますが、事務局に連絡して郵送を依頼する方法を取っている財団もありますので、その場合は郵送に時間が掛かることも考慮して書類の入手をするようにしてください。
WEBシステムからの申請での注意点
WEBシステムからの申請については、様々な方式がありますので、助成団体が準備している「WEBシステムからの申請方法について」等の説明書を必ず確認してください。先にマイページ登録が必要なものなど、申請の前にあらかじめ準備が必要な場合がありますので、余裕を持って早めの確認をお勧めいたします。申請について不安がある時は、確実な申請をするためにも、助成団体に直接お問い合わせください。お問い合わせの内容が審査に影響することはありません。
WEBシステムからの申請では、システムによって、途中でいったん保存できる場合とできない場合がありますので、気を付けて下さい。
書類作成上の注意
助成金応募書類(申請書・企画書等呼称は様々です)の作成は、応募者自身の活動を整理して見直す機会でもあります。
一般的な申請書はおおよそ、
イ.応募者に関する項目
ロ.申請する事業内容・見込まれる成果に関する項目
ニ.その他(推薦者等が記載する項目を含む) の4つの部分から構成されています。
イ)応募者に関する項目
多くの場合、「問い合わせ時の連絡先」を記載しますが、その際の住所はもちろん、メールアドレスについて間違いのないように正しく記載してください。特に手書きで提出の場合は、ハイフンとアンダーバー、i(アイ)とl(エル)と1(数字の1)など、見分け辛い場合があり、連絡が取れなくなることがありますので、特に気を付けるようにしてください。
また、個人での応募の場合は、日中のお問い合わせに対して連絡可能な携帯電話の番号を記載しておくと良いと思います。
申請する事業の名称(タイトル)を記載する場合は、実施目的と事業内容を含む内容が分かりやすいタイトルが望まれます。記載する項目としては「応募する背景」、「目的」、「目標」、「計画」、「期待される成果」、「助成事業終了後の展開」は是非記載したい重要な項目です。また多くの場合、求められているのは新しい実現性のある解決策(もしくはそれに至るプロセス)です。すなわち、助成金による事業により「何が実現できるのか、何がどう変わるのか、変わる可能性があるのか」が助成財団の最大の関心事です。よく練り上げた計画を簡明に、かつ具体的に、決められた記載項目には記入漏れの無いよう、記載することが重要です。
ハ)スケジュールや資金計画(経費)に関する項目
事業を実施する上で必要とされる計画を記入する項目です。資金計画は事業計画、スケジュールとの整合性に留意し、内容を詰めて具体的に記載するように心がけてください。時々これらの連携がとれていなかったり、合理的でなかったり、説明不足となっており、実現性が不透明と思われる内容が見受けられますので注意して下さい。
また、実現性を示す上で、助成事業に関する実施体制(誰がどのような役割をするのか)を示すことや一回の事業で完結できることは少ないため、継続的に取り組んでいける体制や助成が終った後の実施体制を示すことも重要です。
ニ)その他(推薦者等が記載する項目を含む)
推薦者の記載欄を設けている場合があります。書類だけでは応募者の活動実態が裏付けできないためです。推薦を受けることが難しい場合には、事務局に相談してください。
※ 申請書類については、助成団体が用意した申請書以外に、多くの場合、定款、直近の事業報告・決算資料などの提出を求められます。また、あらかじめ団体名義の振込口座を確認するために、通帳の画像(コピー)の提出を求められる場合もあります。漏れの無いように応募要領をよく確認してください。
特にWebシステムからの申請の場合はファイルや画像のアップロードが必要となりますので、事前の準備が必要となります。
簡明な記載
1)書類は自分で書く
事業内容等の記載に際しては、応募要領や選考基準、記載例などをよく読んで下さい。
その上で応募書類の記入は、応募者が自分で書くことを心がけて下さい。
ChatGPTなどの人工知能AIのサービスを使用して、申請書を作成する場合には、不適切な発言や誤った情報を含むなどの可能性があるというリスクを理解して慎重に活用してください。人工知能 AIが生成した文章については、人工知能 AIを使用した応募者側が 100%責任を負うことを覚悟して下さい。
2)事業内容等は記載欄に収める
意欲が空回りして思い入れだけが書き連ねられ、残念ながら応募書類に肝心の申請事業の要点が書かれていないケースも見受けられます。客観的な視点から、要点を正確に所定の記載欄に要領よく記載して下さい。
費用について
1)費用対効果の重視
事業を実施するうえで必要な費用の算定に当たっては、できるだけ具体的にコストを重視した計画を立てる必要があります。
2)自己負担金
事業費の全額を助成する場合、応募に際して当初から事業費の一定の割合や金額の自己負担を求める場合、あるいは選考の過程で申請された事業費の金額を削り一部分だけの費用を助成する場合など、助成金額は助成団体によって様々です。
助成金の支払額、支払方法など と併せて、非常に大事な情報ですので、詳細については必ずご確認ください。
3)助成金の支払額、支払方法など
助成金の支払額は、応募どおりの助成金額の場合もあれば、減額される場合もあります。助成金の支払方法は、助成決定後直ちに全額支払われる場合が多いようですが、このほかに必要となった都度、小口払いを受ける場合、事業完了後に領収書を添付して請求する場合もありますので、事前によく確認して事業の資金繰りには注意してください。
応募前に団体内部でしっかりと確認を
助成金の応募を決定するに当たっては、応募団体のミッションや事業計画、将来ビジョンに合っているのか、応募団体が成長する内容なのかどうか、応募団体内部で話し合うことが重要です。
また、応募前に、申請書をきちんと数人で読み合わせしましょう。ミスはないか、予算だてはできているか、記載漏れはないか、他人が見て理解できる内容になっているか(関係者にしか分からない専門用語が羅列されていないか)等を確認し、実施体制も確認しておくことも大切です。
助成金の選考作業
選考事情
応募書類については、作成上の不備書類(単純に記載内容の漏れや指定通りに記載していないなど書き方に問題がある応募書類です。)や、必要な資料が添えられていないなどの場合、選考過程で不利になることがあります。特に、応募の多い助成金については、第一段階で振分けられる可能性がありますので、充分注意してください。
選考作業
助成金の選考は、助成団体の審査基準に沿って行われます。
最初に事務局審査が行われる場合もありますが、その分野に関する専門家(主として学識経験者又は実務家)が選考委員となって慎重に行われます。選考実務は助成団体によって異なりますが、一般的な選考のプロセスをまとめると、次のような流れになります。
【選考の一例】
ステップ1 形式審査
① 申請書は期間内に提出されたか
② 申請書類の様式は適切か
③ テーマは応募要件に合致しているか
④ 記載内容・提出書類に過不足は無いか
ステップ2 実質審査
選考基準に基づき、選考委員等による審査が行われます。
・助成団体の募集の趣旨に事業内容が合致している適格性と、事業内容が実現可能であるという実現性については、基本の審査事項となります。
・選考基準は各団体(の選考委員)によって微妙に異なります。それを具現化したものが過去の助成実績になります。過去の助成実績はホームページ等に掲載されていますので参考にしてください。
・当該年度の応募倍率によって選考基準(水準)は上下します。
ステップ3 比較審査
選考の実質審査で助成水準に達していると判断された案件の総額が予算枠を超過している場合、さらに選別が行われます。その基準は助成団体によって異なりますが、一般的には次のような項目で優劣が決められます。
・先駆性:これまで行われてきたことと切り口が異なる実験的な試み。
・緊急性:必要かつ緊急であること。(対象者数が多い方が有利)
・影響力:地域社会に及ぼす影響力や波及効果。(実態調査等に基づく具体的なデータがあれば有利)
・地域特性:他の地域と比較してその地域において特に必要とされる活動。(その旨は明記する)
・実行可能性:応募団体の過去の活動実績や適切な第三者の推薦など
・そのほかにも、公益性、継続性、発展性などはポイントとなる項目です。
ステップ 4 最終審査
応募から助成決定までの期間が長いため、助成金を受ける意思があるかどうかを最終確認し、必要に応じて補欠の繰上げ等も行います。選考委員会での選考結果は理事会にかけられ、最終的に助成先を決定するケースが多いです。
繰り返しになりますが、助成団体はその設立目的を達成するために、同じような目的を持って一緒に実現してくれるイコールパートナー(助成先)を探しています。NPOの皆さんも助成団体も最終的には一体となり同じ目的を達成することで、お互いがWIN-WINの関係になることを求めています。その意味で助成団体の選考委員会は大変重要であり、各助成団体が選考に力を入れています。
選考委員会による選考は、多くの場合は書類審査からスタートします。その意味ではお互いに顔の見えない状態からスタートするため、申請書はその点を十分に意識し、読んだ人が申請内容や取組み姿勢等を理解しイメージできる、分かりやすくかつ熱意が伝わるよう記載する必要があります。
申請書の80%程度が、提出期限の5日前位から最終日にかけて集中すると言われています、なるべく早い時期に余裕を持って書き上げ、提出前に出来るだけ多くの仲間の目を通して、分かりにくい記載や書き漏れている箇所が無いかを皆でチェックすることをお勧めします。
助成決定とその後の対応
決定通知(選外通知)を受けて
応募から助成の可否が決定するまでの期間は短くて3ヶ月、長いと6ヶ月かかることがあります。一般的に正式な助成決定の通知は文書で行われますが、事前に電話等により内定通知が出される場合もあります。なお各方面に応募し、幸運にも重複して助成決定されるケースもありますが、重複申請の場合は最初に決定通知が届いたら、直ちに他の応募先にその旨を通知してください。同一事業での重複需給は原則できません。
贈呈式と広報活動
① 助成金の贈呈
助成先の団体が一堂に会する贈呈式は、ここ数年は新型コロナウイルス感染防止のため、中止やオンラインでの開催となっていましたが、これからは実開催やオンラインとの併用が増えていくと思われます。贈呈式は、助成先の団体にとってお互いの活動の情報交換の場となります。一方助成団体が助成先を訪問して助成金の交付を行う場合は、助成を受ける活動現場を助成団体に肌で知ってもらう絶好の機会になります。実開催の場合には可能な限り出席することをお薦めいたします。
②マスコミ対応
助成金を受けることは応募者にとって自分達の活動を社会にPRする絶好の機会です。助成を受けることを地元の新聞社の支社や支局などに連絡しましょう。活動が一旦マスコミで公開されて人々の目に留まると、支援の輪が広がり易くなります。
実施報告の作成と助成の継続に向けて
多くの助成団体から助成を受けている助成先の団体は、助成金受領後の対応がしっかりしているところが多いようです。助成団体は助成先が成果をあげることを願っており、助成後の動向は気になるところです。
助成事業が終了した後も縁のあった助成団体とは、長い目でのコミュニケーションと信頼関係の構築に努めたいものです。
定期的にニュースレター等を送付し活動状況を知らせたり、機会があれば助成を受けた助成団体事務局に立ち寄って近況報告をしましょう。継続助成のお勧めや、他の助成団体の紹介を受ける場合もあるかもしれません。お互いに持続的な信頼関係を構築する努力が大切です。